午前0時、魔法が解けるまで。
「男相手だと話しづらいこともあんだろ。あいつ講義受けてんのか?呼んでくるわ」
あいつ、とは由美子のことだろう。立ち上がろうとする逢坂くんの腕を掴む。
腕を掴まれた逢坂くんは驚いた顔をして私を見下ろした。
私が顔を上げて逢坂くんを見れば、彼は更に目を丸くして、ドカッと床にあぐらをかいて座り直した。
「悪い。今は一人になる方が怖いよな」
よほど酷い顔をしていたのか、逢坂くんは私を一瞥してから視線を床に落とす。