午前0時、魔法が解けるまで。







「俺、今何も見てねーから」



気にせず泣けということだろうか。


すくい上げられたパーカーを受け取って、私はそれを頭から被るようにして、泣き顔を隠して、子どもみたいに嗚咽を漏らして泣いた。


逢坂くんは何も言わなかったけれど、何分、何十分と、私が泣き止むのをじっと待ってくれていたようだった。








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