午前0時、魔法が解けるまで。






「記憶喪失になったって噂で聞いて……会いに行こうと思ったら、もう君はいなくて」


「……ごめんなさい」



娘が襲われた地域でこれからも暮らすなんて有り得ないと、私の退院に合わせるように家族が引っ越しの手配をして学校の友達にも別れを告げられないままだったのだ。


最も、その時の私は何も覚えていなかったのだから挨拶の時間を設けられたとしても何も言えなかっただろうけど。







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