二頭(二人の男)追うもの…バチが当たる
奇妙な、とっても奇妙な私達三人の同居生活も、早いことにもうすぐ3ヶ月が過ぎようとしてる。
愛するふたりと一緒に暮らす日々は、あたしにとって、嬉しくもあり、辛く、苦しい日々でもあります。
家事全般をやらせて欲しいと言ったにも関わらず、輝一君に抱かれた翌日は何時ものように食事を作ってくれてる槙さん。槙さんは『こまめさんとの時間が少しでもおしいから』といってくれるが、そんな槙さんと朝、顔を会わせるのが辛い。
「おはよう?輝一君今日は早いね?」
いつも休みの日はお昼近くまで寝てる輝一君が、今日はもう起きてきた。
今日はなにか予定でもあるのかなぁ?
あれ…?
いつも誰よりも早く起きる槇さんが居ない。どうしたのかと思いながらも、食事の支度する為にキッチンへ向かう。
「あれ槇さんはまだ寝てるの?」輝一君に尋ねると「親父は居ない…今日13時の便で渡伊する」と返ってきた。
えっ出張…?
聞いてないよ…
「…急だね?」
「いや…前から決まってたんだ」
嘘…
いつから?
いつも家を空けるときは
前もって教えてくれる。そして出掛ける時は抱きしめ熱いキスをしてくれる。
いつも出張の前には『一緒に行く?』って聞いてくれる。
顔を見れないのは寂しいからって…
どうして今回は何も言わなかったの?
「親父…もう帰って来ないと思う。昔から俺に会社譲ったら移住するって言ってたから…」
輝一君が会社を継ぐのは
まだ先の話だって…
移住ってなに?
槇さんは私を置いて
居なくなったの?
どうして…
「親父、会社の事、こまめさんの事頼むって…昨夜…」
嘘…
離したくないって
言ったじゃない
ずっと一緒だって…
言ったじゃない
愛してるって…
愛してるって言ってくれたのは
嘘だったの?
「親父はこまめちゃんを手放した。俺に譲ったんだ」
とあたしを抱き寄せる輝一君。
今は無理。輝一君の胸を押し離れた。
槇さん…
どうして…
なにも話さずに行ってしまったの…
込み上げる物を必死に堪え、溢れ出ないように拳を握る。爪が食い込むほどに強く。
泣いちゃダメ!
今は泣いちゃダメ!
輝一君の前で泣いたら…
止めることが出来なくて溢れる涙が私の拳を濡らす。
「そんなに擦ると腫れちゃうよ?」と輝一君はあたしの手を握る。そして真っ直ぐあたしを見て言う。
「こまめちゃん…もう答え出てるよね?親父と俺のどちらを選ぶのか」
父親の槇さんの事も
槙さんの息子である輝一君の事も
本当に大好き!
いつかどちらかを選ばなくてはいけないと、分かっていたのに先延ばしにしていたあたし。
ふたりの優しさに甘えて、本当にみっともない自分も最悪な自分も咀嚼して飲み込んでいたあたし。
愛するふたりと一緒に暮らす日々は、あたしにとって、嬉しくもあり、辛く、苦しい日々でもあります。
家事全般をやらせて欲しいと言ったにも関わらず、輝一君に抱かれた翌日は何時ものように食事を作ってくれてる槙さん。槙さんは『こまめさんとの時間が少しでもおしいから』といってくれるが、そんな槙さんと朝、顔を会わせるのが辛い。
「おはよう?輝一君今日は早いね?」
いつも休みの日はお昼近くまで寝てる輝一君が、今日はもう起きてきた。
今日はなにか予定でもあるのかなぁ?
あれ…?
いつも誰よりも早く起きる槇さんが居ない。どうしたのかと思いながらも、食事の支度する為にキッチンへ向かう。
「あれ槇さんはまだ寝てるの?」輝一君に尋ねると「親父は居ない…今日13時の便で渡伊する」と返ってきた。
えっ出張…?
聞いてないよ…
「…急だね?」
「いや…前から決まってたんだ」
嘘…
いつから?
いつも家を空けるときは
前もって教えてくれる。そして出掛ける時は抱きしめ熱いキスをしてくれる。
いつも出張の前には『一緒に行く?』って聞いてくれる。
顔を見れないのは寂しいからって…
どうして今回は何も言わなかったの?
「親父…もう帰って来ないと思う。昔から俺に会社譲ったら移住するって言ってたから…」
輝一君が会社を継ぐのは
まだ先の話だって…
移住ってなに?
槇さんは私を置いて
居なくなったの?
どうして…
「親父、会社の事、こまめさんの事頼むって…昨夜…」
嘘…
離したくないって
言ったじゃない
ずっと一緒だって…
言ったじゃない
愛してるって…
愛してるって言ってくれたのは
嘘だったの?
「親父はこまめちゃんを手放した。俺に譲ったんだ」
とあたしを抱き寄せる輝一君。
今は無理。輝一君の胸を押し離れた。
槇さん…
どうして…
なにも話さずに行ってしまったの…
込み上げる物を必死に堪え、溢れ出ないように拳を握る。爪が食い込むほどに強く。
泣いちゃダメ!
今は泣いちゃダメ!
輝一君の前で泣いたら…
止めることが出来なくて溢れる涙が私の拳を濡らす。
「そんなに擦ると腫れちゃうよ?」と輝一君はあたしの手を握る。そして真っ直ぐあたしを見て言う。
「こまめちゃん…もう答え出てるよね?親父と俺のどちらを選ぶのか」
父親の槇さんの事も
槙さんの息子である輝一君の事も
本当に大好き!
いつかどちらかを選ばなくてはいけないと、分かっていたのに先延ばしにしていたあたし。
ふたりの優しさに甘えて、本当にみっともない自分も最悪な自分も咀嚼して飲み込んでいたあたし。