肉食御曹司に迫られて
奈々は思った。今、ここでその問題を聞いてしまえば、これらかもう湊とは会えないのではないか…。

奈々は、言葉が解らなかったことにし、普通に振る舞うことにした。湊から、別れを切り出されるまでは、一緒にいたい。

奈々は、笑顔を作り、
「湊、もういいの?」
「ああ、大丈夫。悪かった。」
「全然。ほら、美味しいよ、湊も食べて。」
奈々は、平静を装い、お皿の上にパンケーキを置いた。
湊は、まだ、表情が強張ったままだったが、
「ありがとう。」
とコーヒーを一口飲んだ。

「奈々、悪い。さっきの電話仕事で…。急に予定が入った。」
(- 嘘。)
奈々は思ったが、
「そっか。仕事なら仕方ないね。」
奈々も、このままの気持ちで、どう過ごしていいのかわからなかった。
このまま、平静を装い続けるのにも限界がある。
(ー その女の人と会うの?)


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