肉食御曹司に迫られて
湊は奈々と別れたあと、すぐに父親に電話した。
「…なんだ?」
「今、自宅にいますか?」
湊は、すぐに父親に会うつもりだった。
「いや、いない。なんだ?」

「どういうつもりですか?アミラの事です。」
「あー、いいお嬢さんだな。お前の相手に不足はない。2週間後には、日本に来れるそうだ。」
父の正樹は、良い事をしてやっただろう?と言わんばかりに言った。
「なっ…!わざわざ呼んだんですか?」
「アミラが嫌なら、まだまだ、候補はいるから安心しろ。」

(ー 父に話したのは失敗か…こんなに早く行動に移されるなんて。)


「最後の、彼女とこれ以上続けるなら、覚悟しろとはどういうことですか?」
湊は、少し、低い声で聞いた。

少し間を空けた後、正樹は
「お前の相手が誰かなんて、調べようと思えばいくらでも調べられる。そして、少しお話をするぐらいかな。円満に別れて欲しいからな。そんな、無駄な事をしない為にも、お前が早く目を覚ますことを祈ってるぞ。」

と言って、一方的に電話は切られてた。

(- どうすることも、できないのか…。)
奈々を連れて、逃げる…。そんな事、できない事はわかっていた。会社を捨てることはできない。
(- 奈々、悪い。俺には自由はない。)

湊は、大きく息を吐き、空を仰いだ。
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