ドメスティック・ラブ
「無鉄砲なのはどっちかっつーとしまっちの代名詞なのにな」
最初に連絡した時はかなり驚き心配していた二人も、実際に本人に会って予想より元気な事が分かったせいか、今はもうネタにする気満々で人の悪い笑みを浮かべている。今日は二人のお陰で色々助かったのは事実なので私もまっちゃんも強くは出られない。
でも思いがけず皆で飲む機会が出来て、私はちょっとラッキーだと思ってたりもする。そして私自身は忙しいんじゃないかと遠慮してしまってさとみんには声をかけづらかったので、彼女を引っ張り出してくれたよっしーには内心重ねて感謝。まさに怪我の功名だ。
「いい大人を捕まえて失礼な。まっちゃんが色々されてる間にちゃんと入院の手続きとか警察への対応とか私がやったんだから」
ビールを煽りながら胸を張ると、三人が揃って言った。
「面倒臭い事は人任せのしまっちがなあ……」
「やれば出来る子かもしれないけど、そもそも滅多にやる気出さないのにね」
「ぶっちゃけ俺も思った以上にスムーズに事後処理進んでて驚いた。こんなに早く帰ってこれると思ってなかったし」
本当に失礼だよ君達。
「一応私だって社会人ですよ。三十路ですよ。それくらい出来るってば」
「そうだよねー、偉い偉い」
ニコニコと笑いながらさとみんが私の頭を撫でる。いやいや、なんで今更子供扱いされてんの私。