ドメスティック・ラブ
ワインが四分の一ほど空いた所で注文した料理がテーブルに運ばれてきた。一人用の鉄板の上でデミグラスソースをかけられたハンバーグがじゅうじゅうと音を立てている。
「柔らかい!じゅわっと美味しい!やっぱりハンバーグってこうだよね!」
ナイフで一口大に切ったハンバーグの欠片を口に頬張って思わず歓声が漏れた。
少し前に夕飯のメニューでハンバーグに挑戦したのだけれど、私が作ったそれはタネに塩コショウをし忘れて味がなく、ソースの味に頼って食べざるを得なかった上にとにかく硬かった。
「この間はごめんね、不味いの食べさせて。あ、本物のハンバーグ一口食べる?」
ビフカツを選んだまっちゃんに鉄板の上のハンバーグを示したけれど、俺はいいよと言われてしまった。まあ比べられるとますます惨めな気もするので良かったのかもしれない。その点カツなんて揚げ物そのものがまだハードル高過ぎて挑戦する気にもなれないメニューだ。
「お前本当に美味そうに食べるよなあ……」
緩みまくった私の顔を見てまっちゃんが感心した様に言う。
でも実際美味しいんだから仕方ない。お店自体も広過ぎず、コンパクトな作りに定番のメニューばかりだけれど、雰囲気も味も良くて素直にまた来たいと思えた。そう伝えるとまっちゃんはじゃあまた今度なと笑っていたけれど。
「そういや、この間の千晶のハンバーグが硬かったのはパン粉入れ忘れたせいだろ」
「えっそうなの?つなぎ入れ過ぎると味がボケるかなーと思ってあえてお肉と卵だけにしたのに」