キミの瞳に
「朝木君かっこいいー!!」
「朝木君がんばって〜!」
ゲームが始まれば女子生徒が集まってそんな声が聞こえる。
聞こえた所でちっとも嬉しくない。
ゲーム中でも春の事が気になって相手コートにボールが行った時に春のいる方を見てしまう。
そんな春は壁に寄りかかってボーッとしてる。
昨日あれだけ泣いて、きっと家に帰ってもすぐに眠れなかったんだろうな…。
悲しい気持ちになったと同時に勢いよく飛ぶボールが目に入る。
「え…」
そのボールは春の方へと飛んで行ってそれに全く気づかない春は…
「中森さん危ない!!!」
ボールで頭を打ってしまった。
女子生徒が一斉に集まって春を囲む。
ゲームを放り出して俺は走って春の元へ駆け寄った。