キミの瞳に






「わ…私先に出るから…っ」






落としたダンボールを拾って近くにあった棚に置いて朝木君の横を通ろうとしたらパシッと手首を掴まれた。





パッと朝木君の顔を見れば少しバツの悪そうな表情で私を見る。






その表情を見てさっきの会話の内容を私が聞いたからなんだと悟った。






別に朝木君がそんな顔する必要ないはずなのに。







結局自分の思っていることは何一つ言えない。





何も言えない私に朝木君が何か言おうとした。








「春…俺の話を…」






でも朝木君が言葉を発した瞬間に…








「その手離してくんない?」








聞き覚えのある声がした。












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