失礼男の攻略法

一気に残念な気持ちになりながらも

「先日は、ありがとうございました」

お礼を言うと、ちょっと考えるように視線をさまよわせて、あーと思い出したように

「オニーチャン、ちゃんと来た?」

と聞かれる。

「はい、お手間かけてしまって、すみません。結局ご馳走にもなってしまって」

あの日、私が気持ちよく酔っぱらっている間にお会計も自分につけてくれていたのだ。

「あぁ、全然。妹ちゃんには、こっちも世話になってるし」

ちょっと口元をあげてそう言っている姿からは、大人の色気が漂っているように見える。キュンとなにながらも

「いえ、とんでもないですよ。今度、お礼でもさせて下さい」

勇気を出して言ってみたものの

「あー、大丈夫。あれぐらい気にしないでよ」

さらっとかわされてしまう。
< 105 / 225 >

この作品をシェア

pagetop