失礼男の攻略法
「所長から冗談のようにお話しいただいたことはあったんですが、まさかほんとにお会いすることになるとは思ってませんでした」
そう答えると、面白そうに目を細めている。
「僕はまさか叔父が紹介してくるのが、西田さんみたいな方だとは思ってませんでしたよ」
意味ありげな言い回しに、もやっとして
「とんだ小娘で、すみません」
一応謝ってみると、今度は朗らかにアハハ、と笑っていらっしゃる。
「西田さん、いや、千秋ちゃん。小娘だなんて思わないよ」
「いえ、事務所の中じゃ、あんまり稼ぎにはならない労務中心にやらせてもらったりで、あんまりご期待には応えられないと思うんですよ。でも、今うちの事務所で独身の適齢期って私くらいしかいなくって」
申し訳なくなりながら思ったことを吐き出すと、そっと頭に手を置かれた。お兄ちゃん以外に頭を撫でられるなんて、ほとんどなくって、びくっと反応してしまうと、尚も面白そうにしている直樹さん。
「そういう意味じゃないんだけどね。でも千秋ちゃんにしてみると、40手前の僕なんて、ただのオジサンでしょ」
そう言われて思いっきり頭を横に振った。