失礼男の攻略法
でも、これくらいで済んでよかった。
ギリギリで敗訴を免れた法廷から帰ってる気分でオフィスビルまで戻ったものの、すごい疲労感たっぷり。ああいった手前、こっちに帰ったきたけど、これから仕事できる気なんてしない。
行き先を決めてエレベーターホールまで足を進めると、ちょうど開いたエレベーターから見知った男が降りてきた。
「あっ」声に出してしまって後悔する。その声で私に気付いた男は
「あ、妹じゃん」
と呟いて
「これから仕事?弁護士先生は大変だ。がんばって~」
これまでのやりとりでは信じられないくらいの好意的反応を示されてびっくりする。
「ありがとうございます」
去っていく背中にとりあえず、そう言いながらエレベーターに乗り込み、迷わず41Fのボタンを押した。