10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中
「…いいのか?」


確かめるように聞いてくるが、答えることすら恥ずかしい。


「春兄なら、大丈夫」


そう言うと、春兄はソファから立ち上がり、そっと手を差し伸べる。


「おいで」


こういうとき、強引に腕を引かないところが春兄らしい。そんなことを考える余裕があるのかと思われそうだけれど、何故か冷静にそう考えてしまった。


春兄は優しく立ち上がらせ、ベッドへと向かう。


この前軽はずみでこのベッドにダイブしてしまったけれど、今からここで…



「…藍?」


足に力を入れて立ち止まる。なんだか、怖くなってきた。


「あ、あの…」


"やっぱり無理"と言える?ずっと待ってくれた春兄をこれ以上待たせることができる?


「…」


私と向き合い言葉を待ってくれている。恐る恐る見上げるが、少し困ったように笑みを浮かべていた。


「怖くなったら、そう言って。無理やりは絶対にしない。ちゃんと止めるからさ」


「…うん」


優しくそう言われ、もう春兄を信じるしかなかった。まずは一歩、しっかりと踏み出さないと。






ベッドに優しく寝かされる。寄り添うように横たわってきた春兄は私に優しくキスを落とした。短いキスを何度も何度も。


やがて私の頬に添えられていた春兄の手が体の方へと移る。私の反応を確かめるように触れていく大きくて温かい大好きな春兄の手。



もう頭が真っ白になって来て、ずっと目を固く瞑っていた私は気づけば服は脱がされ下着だけになっていた。昔は一緒にお風呂に入っていたのに、大人になってから初めて見られるからとても恥ずかしい。


春兄は上のシャツを脱いでいて、鍛えられた筋肉と広い肩幅、そして厚い胸板が目の前にある。

服越しからでもわかっていたけれど、やっぱり凄くがっしりとしている。


自分の体が見られることももちろん恥ずかしかったが、春兄の体を見るのも恥ずかしいくなる。


「は、春兄電気…」


ピタッと止まる春兄の手。私を跨ぎ首筋に埋めていた顔をゆっくりと上げた。


「消して欲しいの?」


「だって、恥ずかしい」


春兄の胸を少し押し、片手で自分の胸元を隠す。


「消したら藍の顔見れないじゃん」


う、うぅ…意地悪な春兄が顔をのぞかせて来たぞ。


「い、いいもん見なくて」


「それは嫌だ」


春兄の手はどんどん下に移っていき、私に甘い刺激を与える。感じたことのない感覚に思わず体が仰け反った。


春兄の手はそこに集中し、足をもぞもぞさせて逃れようとするが、それをさせてくれない。



私、もうダメかもしれない…




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