10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中
全ての下着が剥がされ、生まれたままの姿となった。全身に優しくキスを落とし、一度私から離れた春兄を目で追うと残っていた衣類を脱ぐ姿が視界に入り、咄嗟に顔を背けてしまう。
乱れた掛け布団をぎゅっと握り、自分の体に被せる。
戻って来た春兄の姿を直視できなくて、ずっと目を瞑っていた。
「藍、いい?」
掛けていた布団を剥がされる。目を瞑ったまま頷いた。
私、これから本当に…
-----…
強い痛みに耐えることができなかった。ずっと我慢していた声は痛みによって外に出る。
「はるっ…にぃ!痛いよ!」
勝手に流れてくる涙に焦る。今まで怪我をしたり何かにぶつけたりで痛みを感じることはあったけれど、比にならないほどの激痛。
「力、抜いて」
私の頭を撫で包み込むように体を重ねようとしてくれるけれど、痛みで思わず春兄の腕に爪を立ててしまった。
「…っ」
「春兄ごめんっ。やっぱり無理かも」
そう言うと、春兄は体を起こして私から離れた。それと同時に痛みからも解放される。
それでもしばらく涙は止まらなかった。
「藍、大丈夫か?」
「…ごめんっ、春兄」
泣き続ける私の頭をもう一度撫でる春兄。覚悟を決めたのに、やっぱり私にはまだ無理だったのかもしれない。
「俺のために、勇気出してくれたんだろ?ありがとうな」
最後までできなかったのに、どうしてお礼なんて言ってくれるのだろう。
「次はちゃんと我慢するから」
「無理しなくていいって。もう一度、俺のこと受け入れられる時が来たら、その時は言って」
その言葉に頷いた。どこまでも優しい人だ。
***
「…と言うわけであります」
「まぁ、途中まではできたってことでしょ?あんたにしてはだいぶ進歩したわ」
充希と時間を合わせてカフェでお茶をしている。春兄とのことを報告し、ダメ出しを喰らうかと思ったけれど、案外そうでもなかった。
「でもさ、痛みを知っちゃったから尚更怖いというか…」
普通の痛みとかではなく、どちらかというと違和感のある痛みで頭が真っ白になった。春兄には『次はちゃんと我慢するから』と言ったけれど、実際我慢なんてできるかわからない。
「それを超えた先に幸せがあるのよ!」
「そ、そうなの…?」
そのあと充希は長々と体験談を語り出した。痛みが幸せ…か、そんなことが本当にあるのだろうか。
乱れた掛け布団をぎゅっと握り、自分の体に被せる。
戻って来た春兄の姿を直視できなくて、ずっと目を瞑っていた。
「藍、いい?」
掛けていた布団を剥がされる。目を瞑ったまま頷いた。
私、これから本当に…
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強い痛みに耐えることができなかった。ずっと我慢していた声は痛みによって外に出る。
「はるっ…にぃ!痛いよ!」
勝手に流れてくる涙に焦る。今まで怪我をしたり何かにぶつけたりで痛みを感じることはあったけれど、比にならないほどの激痛。
「力、抜いて」
私の頭を撫で包み込むように体を重ねようとしてくれるけれど、痛みで思わず春兄の腕に爪を立ててしまった。
「…っ」
「春兄ごめんっ。やっぱり無理かも」
そう言うと、春兄は体を起こして私から離れた。それと同時に痛みからも解放される。
それでもしばらく涙は止まらなかった。
「藍、大丈夫か?」
「…ごめんっ、春兄」
泣き続ける私の頭をもう一度撫でる春兄。覚悟を決めたのに、やっぱり私にはまだ無理だったのかもしれない。
「俺のために、勇気出してくれたんだろ?ありがとうな」
最後までできなかったのに、どうしてお礼なんて言ってくれるのだろう。
「次はちゃんと我慢するから」
「無理しなくていいって。もう一度、俺のこと受け入れられる時が来たら、その時は言って」
その言葉に頷いた。どこまでも優しい人だ。
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「…と言うわけであります」
「まぁ、途中まではできたってことでしょ?あんたにしてはだいぶ進歩したわ」
充希と時間を合わせてカフェでお茶をしている。春兄とのことを報告し、ダメ出しを喰らうかと思ったけれど、案外そうでもなかった。
「でもさ、痛みを知っちゃったから尚更怖いというか…」
普通の痛みとかではなく、どちらかというと違和感のある痛みで頭が真っ白になった。春兄には『次はちゃんと我慢するから』と言ったけれど、実際我慢なんてできるかわからない。
「それを超えた先に幸せがあるのよ!」
「そ、そうなの…?」
そのあと充希は長々と体験談を語り出した。痛みが幸せ…か、そんなことが本当にあるのだろうか。