10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中
「でも春人さんは本当に誠実な人ね。さすが10年思い続けていただけあるわ」
腕を組み、大きく頷く。
「大事にされているなって凄く感じるよ」
春兄が優しく触れてくれたところのぬくもりを今でも思い出すことができる。これから先もずっとあの腕に包まれていたい。
「ま、春人さんなら大丈夫だとは思うけどさ、次はちゃんとトライしなさいよ?次から次へと先延ばしにしないように!」
「心得ております…」
それから他愛ない話題に盛り上がった後、私たちは解散した。今からバイトに向かうために駅の方へと足を進める。
夕方の上り電車はほぼ空いている。バイト先の最寄りに到着し、エスカレーターに乗った。
改札のところまで上りエスカレーターを降りたところで怒号が鳴った。
「おいおっさん!」
ビクッと声のした方を振り返ると、ダラっとした格好をした中年くらいのおじさんの腕を掴んでいる山下さんの姿があった。
改札に向かう人がちらほらいるが、目線はそちらに向けられる。
「山下…さん」
山下さんは掴んでいた腕を自らの方へと引き寄せ、空いていたもう片方の手でおじさんが持っていた携帯を奪い取った。
「撮ってただろ」
「なっなんの話だ!!」
「とぼけんなよ。エスカレーターに乗りながらこいつのスカートの中盗撮してただろ」
と、盗撮!?
その言葉にぶわっと鳥肌が立った。
迫られたおじさんは山下さんの腕から逃れようとするがびくともしない。
「何もしとらんぞ!?俺は何もしとらん!!」
「チッ。おい、駅員呼んでこい」
鋭い目が私に向けられ一瞬怯む。
「早くしろ」
「は、はいっ」
自分がされたことが理解できないまま窓口へと向かった。
私が…盗撮に遭うなんて。
腕を組み、大きく頷く。
「大事にされているなって凄く感じるよ」
春兄が優しく触れてくれたところのぬくもりを今でも思い出すことができる。これから先もずっとあの腕に包まれていたい。
「ま、春人さんなら大丈夫だとは思うけどさ、次はちゃんとトライしなさいよ?次から次へと先延ばしにしないように!」
「心得ております…」
それから他愛ない話題に盛り上がった後、私たちは解散した。今からバイトに向かうために駅の方へと足を進める。
夕方の上り電車はほぼ空いている。バイト先の最寄りに到着し、エスカレーターに乗った。
改札のところまで上りエスカレーターを降りたところで怒号が鳴った。
「おいおっさん!」
ビクッと声のした方を振り返ると、ダラっとした格好をした中年くらいのおじさんの腕を掴んでいる山下さんの姿があった。
改札に向かう人がちらほらいるが、目線はそちらに向けられる。
「山下…さん」
山下さんは掴んでいた腕を自らの方へと引き寄せ、空いていたもう片方の手でおじさんが持っていた携帯を奪い取った。
「撮ってただろ」
「なっなんの話だ!!」
「とぼけんなよ。エスカレーターに乗りながらこいつのスカートの中盗撮してただろ」
と、盗撮!?
その言葉にぶわっと鳥肌が立った。
迫られたおじさんは山下さんの腕から逃れようとするがびくともしない。
「何もしとらんぞ!?俺は何もしとらん!!」
「チッ。おい、駅員呼んでこい」
鋭い目が私に向けられ一瞬怯む。
「早くしろ」
「は、はいっ」
自分がされたことが理解できないまま窓口へと向かった。
私が…盗撮に遭うなんて。