片翼の運命

そちらを見て、バインダーから手が離される。

「みんなでカラオケ行こうって話してるんだけど行くだろ?」

「ああ、行く」

席を立って行ってしまう。その背中が去っていくのを見た。

バインダーに目を落とすと、個人面談の希望日程を書く用紙だった。既にわたしの前のひとたちは書き終えていて、指定された期間で大丈夫な時間を書き込む。

どうすれば良いのか、とバインダーを見ていると、前から声がかかった。

「教卓の下にしまっておけって」

船川が親切に教えてくれた。今日は駄目だ。何も先生の話が入ってこない。

「ありがとう」


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