片翼の運命
若干の疑問はあったけれど、慧斗の腕は開かれたままだ。その期待に満ちた顔を無視することはできなかった。
うん、どうにかなるはずだ。
慧斗が受け止めてくれるはず。
無条件に信じて、それから窓枠に足をかけた。
少し前まで、わたしは自分が窓から外に出る経験をするなんて思いもしなかった。
両足を乗っけて、手を離す。
それを言うなら、長年話すこともなかった幼馴染と会話することになるなんて考えもしなかった。
神様がこれをわたしの運命とするのなら、私には飛び込むという選択肢以外はない。
片方の翼だけを持つ吸血鬼の彼の腕の中へと。