片翼の運命
……いない。
自販機の方へ行く途中で会うかもしれないと思ったけれど、違う学年の生徒とすれ違うだけ。
不審というより、疑念。
自販機の並ぶ場所へ行っても彼はいなかった。ジャージの裾を上げた船川はいたけれど。
「お、守尾」
「……うん」
「望月は?」
わたしの後ろを見る素振りをして、きょとんとした顔をする。
「知らない」
「どうしてまた」
「わたしとまわるのが嫌だったんじゃない?」
口からでた。こんな卑屈なことを言われても、船川は困るだけだろうと後悔した。
「なーんて、冗談」
はは、と笑ってみせる。後ろから誰かに抱きつかれた。