片翼の運命
周りに人がいて、慧斗の周りにも人がいて。
わたしたちは違う世界に住み過ぎた。
「一緒に帰ろ」
待っていたらしい。嬉しそうにする慧斗に罪悪感さえ湧いてきて、小さく頷いた。
慧斗にとって、そんなことは小さなことで、自分には関係ないと言い切れるのだろう。
だから、自分の言ったことはきちんと筋を通している。他人にどう見られようとも。
「美衣ちゃん、何か食べる?」
……いや、気にしていないだけなのかも。
名前を呼んできた慧斗を見上げると、視線はファストフード店へ向いていた。
お腹が空いているのかな。