寄生虫
そしてものの数分で大きな布団を抱えて戻って来た。


「ここで寝てもいいの?」


あたしは慌てて布団を受け取りながらそう聞いた。


「仕方がないでしょ。もしあの部屋に何かかゆみの原因があるからあまり入らない方がいいしね。その代わり、リビングで寝たらいつもよのうにゆっくりはできないわよ? お父さんもバラも朝が早いんだから」


「わかってる。ありがとうお母さん」


自分の部屋で寝なくていいと言う安心感から、あたしはその後すぐに眠りについたのだった。
< 105 / 195 >

この作品をシェア

pagetop