寄生虫
頼み
そして翌日。


いつも通り時間ギリギリで学校へ到着すると、「よぉ、サナギ」と、京介の声が聞こえて来た。


「おはよう京介」


「おぉ。なんだよ、今日は元気なさそうだな」


「ちょっとね……」


あたしは曖昧な笑顔を浮かべた。


昨日克哉が言ったことが本当なら、克哉を変えたのはあたしたち全員と言う事になる。


みんなが望んだから、克哉は変わった。


いい変化もあるけれど、それはあたしたちの知っている克哉ではなくなってしまったと言う事だった。


「あ、やべ」


ぼんやりと歩いている間に担任に追い越されていたようで、あたしは京介に手を引っ張られて教室へと走ったのだった。
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