寄生虫
☆☆☆
「京介と手を繋いでたね」
真尋にそう言われたのは3時限目の体育の授業中だった。
女子は体育館でバドミントンをしている。
あたしは真尋とペアを組み、適当に授業に参加している状態だった。
一瞬何のことかと考えて、今朝の事を思い出した。
「あれは……遅刻しそうだったから」
「でも、あれを見て2人は付き合ってるんだって思ってる子もいるみたいだよ」
真尋にそう言われて思わず動揺し、飛んできたシャトルが床に落ちた。
手を繋いだまま教室へ入ったのだからそう思われていても当たり前だ。
女子たちがあたしを見てコソコソと何か話をしていたのは、そのせいかもしれない。
あたしは返事をせずにシャトルを手に取った。
「噂に流されて告白しちゃえばいいじゃん」
「そんな……」
2人で遊んで以来、あたしと京介の距離は確かに近づいているのを感じる。
だけど、告白となるとそう簡単にはいかない。
「サナギ、はいつまでサナギでいるつもり?」
その言葉にあたしは真尋を見た。
「いつか、蝶になるためのサナギなんだよね?」
「京介と手を繋いでたね」
真尋にそう言われたのは3時限目の体育の授業中だった。
女子は体育館でバドミントンをしている。
あたしは真尋とペアを組み、適当に授業に参加している状態だった。
一瞬何のことかと考えて、今朝の事を思い出した。
「あれは……遅刻しそうだったから」
「でも、あれを見て2人は付き合ってるんだって思ってる子もいるみたいだよ」
真尋にそう言われて思わず動揺し、飛んできたシャトルが床に落ちた。
手を繋いだまま教室へ入ったのだからそう思われていても当たり前だ。
女子たちがあたしを見てコソコソと何か話をしていたのは、そのせいかもしれない。
あたしは返事をせずにシャトルを手に取った。
「噂に流されて告白しちゃえばいいじゃん」
「そんな……」
2人で遊んで以来、あたしと京介の距離は確かに近づいているのを感じる。
だけど、告白となるとそう簡単にはいかない。
「サナギ、はいつまでサナギでいるつもり?」
その言葉にあたしは真尋を見た。
「いつか、蝶になるためのサナギなんだよね?」