干物ハニーと冷酷ダーリン

この段ボールの中身は、月に1度ある読者様のアンケートハガキ。

あたしたち、ミルキー編集部は、月刊誌の少女漫画を担当している部署。

少し前の時代までは、小説だけを扱う出版社だったけど、経営難に追い込まれ打開策として少女漫画を発行する事になった。



そこで、グダグダでダメダメで打開策なのか倒産するにまで追い込んだ一撃なのかの要因と成り果ててしまったミルキー編集部を1年あまりで立て直しダンテ出版の稼ぎ柱までにしたのが今の水城さん。


ダンテ出版社は、小説を扱う文芸編集部と少女漫画を扱うミルキー編集部で成り立っているのである。




今ではこの業界では、大手出版社と言われているがそれもこれも少なからず水城さんのおかげと言っても過言ではない。



と、ダンテ出版社の社長が就職説明会で鼻高々に演説していたのを今でもはっきりと覚えている。





そんな事を思い出しながら、目の前にある段ボールを開けると、やっぱりアンケートハガキで終わりの見えない作業にまた1つ溜め息をついた。





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