干物ハニーと冷酷ダーリン
「ちょ、ちょっと水城さん落ち着いて下さい!どうしていつも喧嘩腰になっちゃうんですか!」
『ああ?俺は落ち着いてる。あいつが薄らとんかちな事ばかり言ってるからだろ』
薄らとんかちって……今時それ遣う人あまりいないですよ、水城さん。
営業部側も、大平さんが長谷川さんを宥めている最中でお互い血の気の多い上司を持ったものだと思う。
「…あの、それでは間をとって4万5千でどうでしょう?」
良かれと思って仲裁に入る北原さん。
『ああ、それいいね!そうしちゃいなよ』
と、煽る谷さん。
冗談じゃない。
せめて、5万だ。
『…まぁ、それなら、、、』
選手交代した営業部大平さん。
確認するように目配せをして長谷川さんの反応を見ている。
納得がいっていないのか、長谷川さんは渋々頷いてみせた。
「間ってなんですか!せめて5万ですよ!初版の部数を下げてどうするんですか!」
申し訳ないが、今は北原さんも谷さんも黙っていてもらいたい。
何を勝手に話を畳もうとしてるんですか。
まだ、話は終わってないんです。