干物ハニーと冷酷ダーリン



転がっている三野さんを踏まないように、部署を出て左の突き当たりに設置されている僅かな休憩スペース。


休憩スペースと言っても、自販機が2台と簡易なソファーがぽつんと置いてあるだけ。



お金を投入して、缶コーヒーが音を立てて落ちてくる。


あつっ!


缶コーヒーを3つ手に取る。

この自販機、缶の外側は凄く熱いくせに中身はそうでもないという摩訶不思議な自販機。

っと言うか、壊れかけ。




「水城さん、どうぞ」




1つを水城さんに、もう1つはいつの間にか身体を起こしていた黒崎さんのデスクに置いた。


黒崎さん、一点を見つめて瞬きもしてない?

ちょっと怖いです。



『…川本』


呼ばれて顔をあげると、こっちに飛んでくる何か。

慌ててキャッチすると、500円。





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