干物ハニーと冷酷ダーリン

会場を出る際に、すれ違ったスタッフにご丁寧にグラスと氷と水を持たされた黒崎。


川本は、へらへらと有り難うございますー。とばかっぽそうに語尾を伸ばし満足そうに見ていた。



そして、俺の手にも烏龍茶を握らされた。




部屋割りの都合上、男は2部屋とっており突如川本を連れて戻って来た俺達を見て同室の三野と中林は隣の部屋に逃げていった。





その間も、俺の帯から川本の手が放れることはなかった。




静かになったのは、それから約2時間後の事だった。

途中、三野から高橋が川本が帰って来ないと連絡がきて編集長達と飲んでると伝えておきました。

と、報告があり

連れ戻しに越させろ、と言えば

いやー、高橋に今の川本の面倒を見させるには、あまりに酷かと。


と、川本を丸投げされた。


そして、俺達の荷物を外に出しておいて欲しいと、中林から連絡がきて黒崎が対応していた。


川本に捕まりたくないらしいあの二人は、とことん逃げに逃げた。


それも、姿を見せず部屋にも入らず電話1つで己の危機を回避したのだ。








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