干物ハニーと冷酷ダーリン
缶コーヒーを片手に、徐々に覚醒してきた水城さんは、まるで業務連絡並につらつらと顔色を変えず噛む事もなく昨日の出来事を事細かく説明をして下さいました。
それは流石に盛りすぎじゃないですか?
と、疑いをかけてみても冷静に且つ客観的な態度で返されぐうの音も出なかった。
「大変申し訳ございませんでした、数々のご無礼を心よりお詫び申し上げます」
想像以上に昨日のあたしはぶっ飛んでいた。
そりゃあもう、自分を自分で罵りたい。
お前はバカか!
散々絡みに絡み、一頻り騒いだあと平然とそこで寝るとかホントあり得ない。
『別に、黒崎もあの様子じゃあまり覚えてないだろ』
「でも、いや、あの。本当にすみませんでした。今度からは、気を付けます」
それと同時に暫くはアルコールを断ち、旅行も不参加にしたく思います。
この旅行で完全にあたしの中の僅かにあったであろう女の部分が終わった気がした。
端から誰もあたしを女として何かを求める事はなかったけど、それでも多少は女の顔を持っているという自覚を持って日々行動していた。
だが、しかし。
それも昨日で終わりを告げたのであった。
『何をそこまで気にする?今に始まった事じゃないだろ』
「……は?」
何を思ったのか、追い討ちを掛けてくる水城さんはしれっと爆弾を落としてきなすった。