干物ハニーと冷酷ダーリン
"……っ!…っと……もとっ!"
『川本っ!』
「…っは、はい!」
自分でもびっくりするくらい集中していて、人の気配に気付きもしなかった。
それも、鬼の形相をしていらっしゃる水城さんに気付かないほど。
そして、何故そんな顔をしていらっしゃるのでしょう。
『お前、まだ残ってたのか…切りの良いところまででいい。上がれ』
「あっ、はい。」
時間を確認すると、0時近くになっていた。
幸いあたしの住んでいるアパートは、ここから歩いても15分の所にあるため、終電云々の心配はない。
パソコンの電源を切って、デスクに戻る。