干物ハニーと冷酷ダーリン


黒崎さんに言われた通り今並んでる人の最後尾に午前サイン会終了の看板を立てる。


白田先生と控え室に戻ったのは、20分後の事だった。



「白田先生、お疲れ様でした。体調に変化はないですか?」


テーブルに昼食のお弁当とお茶を白田先生の前に広げる。


「はい。大丈夫です。始めは緊張しましたが楽しいですね」


「それなら、良かったです。午後は1時半からなので、ゆっくり休憩してて下さい」




エアコンの効いた部屋の涼しいこと。
あたしも、出来ればまだここに居たい。

けど、午前の売れ行きの確認や在庫の確認をしなければならない。


ああ、その前に久留米先生に状況確認しないとなぁ。


フェアがあるからと言って、編集者としての仕事には変わりはない。
白田先生の担当編集でもあるが、久留米先生もまた担当編集。

白田先生がわりかし締め切りを守ってくれる作家で良かった。
でなきゃ、今頃あたしは生きる屍状態になっていただろう。


、、、、、っで!
黒崎さんはどこに行った?

控え室に姿が見えないのですが!





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