干物ハニーと冷酷ダーリン


「あー、あの何かフェアに関しての話でしょうか?」


ともあれ、あたしも自意識過剰で恥じをかきたくないので、当たり障りのない返しをする。



『すみません。露骨すぎました?』


「いえ、そんな、、、」


『川本さんって、嘘とかつけなさそうですよね?今、凄く迷惑そうな顔してますよ』



相崎さんは、クスクスと楽しそうに笑っているが、どこに笑いのツボがあったのかあたしには全く見当がつかない。


「……あたし、そんな顔してました?」


そうは思っていても、顔にまで出てるとは思ってなかったのに。



『ええ、表情もそうでしたけど、言葉の返しが特に』


「……それは、すみませんでした」



初対面の、それもうちの漫画作家の作品を置かせてもっている上、フェアの開催に場所を提供してもらった書店の副店長さんになんと失礼な態度を。



『いえ、気にしてませんから。けど、そう思っているなら1つ質問に答えてもらってもいいですか?』



それで、チャラにしましょう。と、終始にこにこと完璧な笑顔を振り撒き続ける相崎さんに頷くしかなかった。




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