干物ハニーと冷酷ダーリン
「……、あの!あたしっ!」
返したネームをテーブルに叩きつけならが、物凄い勢いで啖呵を切る相崎さん妹に分かりやすく体がビクつくあたしと相崎さん。
「……は、はい。なんでしょう、、、?」
「あたし、絶対この出版社でデビューしてみせます!」
「…あっ、はい」
「それで、水城さんに担当編集になってもらいたいです」
「あっはい、、、、いえ、でもうちは指名制度とかないので、、、」
「それでも!あたし頑張ります!」
「、、、はい。またネームお待ちしております」
勢いそのまま押しに押され、グイグイくる相崎さん妹に呆気をとられ、やる気に満ちたその背中を見送った。
いやー、ビックリ。
兄弟揃ってなにこの諦めないしぶとさ。
しかも、ガンガンくるその性格。もはや遺伝?
DNAの威力半端ない。
『これで、川本さんに会う口実が出来ましたね』
「……はい?」
『ネーム、また持ち込みますよ?その時はまた宜しくお願いします、川本さん』
「あの、確認ですが、相崎さんは漫画家になりたいのですか?それなら持ち込まれたネームを見るのはあたしの仕事なので問題ないのですが、それ以外の事となるとあたしの仕事外なので迷惑です」
どうぞ、お帰りはこちらです!
と、促すと相崎さんはお得意な笑顔を張り付けてそのまま背中を向けて帰っていった。