干物ハニーと冷酷ダーリン


ただ1つ。

すれ違い様に、

『俺、妹の夢を応援しているのでまた一緒に来ますよ』



爆弾発言を投下していきやがった。





ああ。これはアレだな。

うん、アレだ。

水城さんにチクろう。

そして、黒崎さんにもチクって会話の面白ネタにしてやる。






編集部に戻ったあたしは、忙しそうにキーボードを叩く水城さんのデスクに自分の椅子を引っ張り、さも鬱陶しそうにしている水城さんにお構い無く先程の出来事を事細かくチクってやった。


もちろん、漫画家を目指す相崎さん妹の事に関して無下に扱えないのでただありのままに話したけど、兄に関してはボロクソに嘆いてやった。


聞いてるのか、聞いてないのか何も言ってこない事をいい事に、散々吠え続けてたら盛大な舌打ちが出てきたもんだから、すぐに退散した。



舌打ちと共にキーボードのEnterキーを叩いたもんだから、キーが飛んでくるんじゃないかと恐怖が倍になった。





『おーおー、荒れてるねぇ。今日、飲みに行くかぁ?』


「えっ?黒崎さん、行けるんですか?」



『ふっ、、、まかさ。これ見てよ』



「ですよね、あたしもです」



各々デスクの上には、仕事が山のように残っていて悠長にお喋りなどしている暇は微塵もない。


辛い。酒を煽りながら愚痴も言えないこの状況がツライ。


楽しくなる職場の環境作り!そんなものクソくらえ!








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