干物ハニーと冷酷ダーリン
『こんな遅くに二人で買い物ですか?』
どこか棘のある言い方。
何故か、問い詰められてる感が半端ない。
「まだ仕事中なので夜食を買いに。それより相崎さんは、、、仕事帰りってわけでもなさそうですけど?」
『ああ、今日ちょっと友人と飲んでまして』
「へぇ。そうなんですか」
と、この話の流れでドロンしようと水城さんの腕を引こうとした瞬間、あろうことか水城さんは2本目の煙草に火をつけやがった。
なんでこのタイミング?
話、長すぎました?そんなはずないですよね?
ストレスですか?この空間に耐えられなかったですか?それ、あたしも同じですよ。
『あっ、もしかして、川本さんの彼氏って水城さん?』
「……はっ?」
『ほら、前に聞いた事あったじゃないですか?でも、俺、ウソだなんて言っちゃって…』
ああ、そうな事もあったような。
って!今は記憶を辿っている場合ではない。
「いえ!あのっ!」
『それが何か?』
本来なら、はいそうです!と言いたい所だったが相手が水城さんではそう言うわけにもいかないと否定するつもりが隣から遮るように言葉が被さってきた。
それにはあたしも、何故か相崎さんも驚いた顔をしていて危うく相崎さんにツッコミを入れる所だった。
何故、アンタも驚く?
自分で聞いたくせに。それともあれか?あたしが否定するのを分かってて聞いたのかよ!