干物ハニーと冷酷ダーリン
ちょうどすれ違ったタクシーに飛び乗り、出版社に急ぐ。
「水城さん!また誰か飛んだんですか?」
あたしが6年間、このミルキー編集部に勤めて過去2人。
なんの前兆もなく、この編集部から姿を消した人がいた。
その時も、こんな感じに夜中に呼び出しをくらってあと処理に追われた。
ここ何年か、そんな事はなかったのに。
今年入社してきた新人くん。
まだ1ヶ月も満たないのに、やはりこのクソ多忙な仕事についてこれなかったのだろうか。
『おー、悪いな川本』
「………あれ?滝くん………」
いるじゃん。
新人滝くんが編集部にいるじゃないか。