干物ハニーと冷酷ダーリン
というか、感じからしてお知り合いなんじゃないの?
藤堂さんと水城さんって。
一応、上司の面目を守るべく嘘までついちゃったけど、、、、。
『水城くんとは、飲みの席で一緒になった事があってね』
場所を変えましょうと藤堂さんの後を付いていき、案内された部屋で何故か水城さん談議をしている。
『彼は優秀だね。とても素晴らしい』
やっぱりお知り合いのようで、今後の打ち合わせどころか水城さんを褒めまくっている。
今はそれどころではないと思っているのはあたしだけなのだろうか。
『おっと、脱線してしまったね。今後の事だけど、、、』
適当に相槌だけを返していたが急に進路を変更してきなすった。
なに、怖い。
情緒不安定なの?
あまりに普通のトーンで仕事を話をするもんだから、聞き逃す所だった。
仕事モードの藤堂さんと2時間近く内容を詰め、これまで通り来春のアニメ放送に向けて勧めていく方針で決定した。
「今日はお時間を割いていただき有難うございました。今後とも宜しくお願い致します」
『いやいや、こちらこそ。宜しく頼みます』
渋めなおじさま基、藤堂さんに見送られながら、受付のお姉様にも挨拶を忘れず、少々足早気味で制作会社様を後にした。