干物ハニーと冷酷ダーリン
『ふーん、でも、川本の後輩いなかった?意外とタフそうだったけど?』
「えっ?そうなんですか?でも、6つ離れてるので、何とも言えないですよ」
『まぁな。同じ専門でてるからってみんな川本みたいって訳じゃないしなぁ。』
「……それ、どういう意味でしょう?」
あたし、もしかしてディスられてる?
黒崎さんは、何とも言い難い表情を浮かべデスクに戻っていく。
見事なまでに、スルーされてしまった。
黒崎さんのくせに。
お盆にコーヒーの入ったらカップを5つ乗せて運んでいく。
こんな時じゃないと、無料コーヒーにありつけない。編集者は専らあの壊れかけの自販機だ。
どこまでも、とことんケチな出版社である。