干物ハニーと冷酷ダーリン


『お前は、何を考えている?…この状況でプリンだと?今、面接中だぞ』


「いやだなぁ。水城さん、面接でも茶菓子の一つや二つ出したって罰当たりませんよ」



『そういう問題じゃない。常識を考えろ、常識を!』


「でもですよ、今までだってこうやって面接したってたかが知れてるじゃないですか。どんだけ面接で良いこと言ったとしても、辞めていく人は辞めてくし、仕事についていけない人はいけないんですよ?」


だから何だと言わんばかりにの顔を見せる水城さん。


だから、プリンを食べましょうと思うあたし。

そして、戸惑い捲ってる女の子3人。




『……好きにしろ』



粘り勝ちを制したあたしは、適当にプリンを配り、自分もプリンを頬張る。




「それに、変に面接するより気楽に話してる方が本心が出るんですよ」


呟くように水城さんに伝える。



これはまさしく、前田先生の漫画のストーリーにあった戦術だ。 



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