干物ハニーと冷酷ダーリン


「…あのー、?」



「ああ、ごめん、ごめん。水城さんね…。水城さんは、仕事には厳しいよ。まるで鬼ね。あたしが新人の時なんて、何度泣かされたか」


「………そんなに厳しい方なんですか?」


これは、うっかり。
まさか、高橋さんまで食いついてくるとは予想外。



「まぁ、プライベートまでは分からないけどね。でも、編集者の鑑だよ。あと何だっけ?ああ、歳は確か36で女の子のタイプは聞いたことないけど、結婚はしてないみたいだよ」




「…なら、彼女は?」




ぶへー!!
まさか、まさかの、西口さんまで?

嘘。なんなの?水城さんって、やっぱりこんなにモテるの?

部署には、男しか居ないもんだったから錯覚してたよ。



「…彼女は、どうだろう?そういうプライベートな話ってそう言えばした事ないからなぁ」



生活サイクルを見てる感じでは、いないとは思う。
いつも残業だし、ましてや休日にまで仕事をしていると黒崎さんに聞いた事がある。


それでも、確証はない。




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