副社長は束縛ダーリン

参加者は若者だけじゃなく、中高年の男女も交ざっているのに、みんな私より上手で感心させられる。

私が下手なのは、初心者だからというより、リズム感がないせいだったりして……。


先生の動きに集中し、必死に真似る私。

左に二歩ステップを踏み、くるりとターンしたら……ドンと、左隣の女性に肩をぶつけてしまった。

私のテンポがずれていたせいなので、「ごめんなさい!」と慌てて謝った直後にハッとする。


ロッカールームにいた、大人美人の女性だ。

開始時には、いなかったと思うのに、いつの間に入ってきて、そしてなぜ私の隣を選んだのだろう……。


彼女は謝る私を一瞥しただけで、なにも答えずに、視線を前に戻していた。

驚きと疑問を感じながらも、私も意識をインストラクターに戻そうとする。


「リズムに乗って〜。左にツーステップ。足踏み、トントン。はい、右にローリング〜!」


踊りながら回転するというのは、思いのほか難しい。

方向感覚がおかしくなり、間違えて逆方向に移動しながら回ったら、またしても彼女にぶつかってしまった。

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