副社長は束縛ダーリン
自分のレシピを商品化に結びつけるのは、茨の道。
この部署会議は三次試験といったところで、ここを通過しても、最終試験である社内会議を突破しなければならないのだ。
そして私は一次試験である、班内ミーティングに二回レシピを出して、即却下という戦歴のお粗末さ。
野田さんを励ましに行きたいところだけど、私なんかに慰められるのは、嫌かもしれないよね……。
会議は終了となり、立ち上がった面々が、ぞろぞろと会議室を出ていくところだった。
隣に座っていた泉さんも資料を手に立ち上がり、私に声をかける。
「朱梨が立たないと、私も出られないよ」
「あ……すみません」
ゆっくりと立ち上がって溜め息をついたら、泉さんは首をかしげる。
「なんで落ち込んでるの? 野田さんに同情?」
「はい……。野田さん、あんなに頑張っていたのに、残念で……」
分量を微調整して、試作を何十回と繰り返し、やっと完成した自信作。
手塩にかけて育てた子供に落第シールを貼られた気分で、心が痛い。