副社長は束縛ダーリン

先輩たちのコロッケ作りを手伝って、試作品を食べることは勉強だと思っていた。

それは間違えていないと思うけれど、もう新人じゃないんだから、それだけでは駄目なんだ。

先輩たちはライバルで、私は追い越す気持ちで自分のレシピを考えなければならないんだ。


でも、どうすればいい?

頭の中は真っ白で、なにもせずに優れたレシピが浮かんでくるわけじゃない。

具体的に、私はどんな努力をすればいいというの?


泉さんはときどき、グサリと突き刺さるような厳しい指摘をするけれど、それは私のためを思って言ってくれている、優しい先輩だ。

今も「泉さん……」と救いを求める私に、小さな溜め息をついてから、教えてくれた。


「私は休日によく食べ歩きをしているよ。洋食屋のコロッケはもちろんだけど、コロッケ以外の料理もヒントをくれることがある。
口にするものすべてをコロッケと結びつけて、常にヒントを探してる」


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