副社長は束縛ダーリン

◇◇◇

土曜日、私は若者で賑わう繁華街の、駅前の広場にやってきた。

今日は曇り空で、日差しが遮られているのはありがたい。

とはいっても、最高気温は二十八度の予報なので、涼しい日とは言えないけれど。


半袖のシフォンブラウスと、膝丈スカートという格好の私は、待ち合わせ場所付近で、人混みの中から長谷部くんとユッコを見つけ出そうとしている。

電車の中で長谷部くんから、【着いたよ】というメールをもらったんだけど……あ、いた。


彼は花壇の横に立っていた。

七分丈の白いパンツに水色のシャツという涼しげな格好をして、それがよく似合っている。

手を振りながら近づいていくと、私に気づいた彼も笑顔で手を振り返してくれる。


「お待たせ。あれ? ユッコはまだなんだ。
待ち合わせの十一時ギリギリになっちゃったから、私が最後だと思ってたよ」


そう言うと長谷部くんが、「実は……」と言いにくそうに話し出す。

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