副社長は束縛ダーリン
「やっぱり、量が多いかも。ちょっと手伝ってもらえるかな……」
意気込みはあっても、胃袋の容量は変えられない。
長谷部くんは笑って手でOKサインを作ってくれて、私は照れ笑いを浮かべながら、まずはコロッケを口に運んだ。
サクッとした軽い衣の後に、粗めに潰したジャガイモのホクホクとした食感と甘み、それと挽肉の旨味が口に広がる。
使用しているのは多分、男爵芋で、玉葱と挽肉の割合は二対三。
挽肉は豚と牛の合挽きで、油はラードとサラダ油を混ぜたものだろう。
油の比率までは、ちょっと分からないな……。
食べつつ、ノートを広げてメモを取る私。
ハンバーグもオムライスも、同じように食べては考えペンを走らせていたら、長谷部くんが「ねぇ、聞いてる?」と話しかけてきた。
「あ、ごめんね! 全然、聞いてなかった。もう一回言ってくれる?」
「大した話じゃないから、言い直すほどじゃないんだけど……。あのさ、仕事も大事だろうけど、せっかくの機会だし、もう少し俺と……その、アレしてくれたら嬉しいというか……」