副社長は束縛ダーリン
走り出した私にすぐに追いつき、追い越していく長谷部くん。
東屋風の屋根のついたベンチに先に着いたのは彼で、「暑いのに走らせないでよ」と文句を言いつつ、楽しそうに笑ってくれた。
鶴亀公園は緑が多く、小さな池とその周囲に遊歩道があり、花壇の花は美しく手入れされていた。
子供用の遊具は滑り台とブランコしかなく、大人が散歩するために作られたような公園だ。
東屋の屋根の下はいくらか涼しい。
並んでベンチに腰を下ろした私たちは、さっそく買ってきた包みを広げた。
三種類のコロッケもシュウマイも半分に分けて
食べつつ、またペンを手に特徴をノートに書き込む。
そんな私を黙って見ている長谷部くんは、クスリと笑った。
その笑い方に、どことなく後ろ向きな気持ちが込められている気がして、私はペンを止めて左隣りを見る。
「どうしたの? 疲れちゃった?」
すると長谷部くんはなぜか、苦笑いして私から視線を逸らした。