副社長は束縛ダーリン
白いクッションを抱えて、考える。
内緒で“いい女計画”を進めるつもりでいたけど、話さなくてはいけないのかな……。
悠馬さんに釣り合うような、魅力的な女性になりたくて、こっそり努力していたなんて、できれば言いたくない。
今の私じゃ見劣りするということを、自ら悠馬さんに教えているようなものだもの。
予定では……。
『最近、綺麗になったし、仕事でも活躍しているみたいだね。どうしたの?』
『どうもしないですよ。元から私はこんな感じです。悠馬さんが私の本当の姿に気づいていなかっただけですよ』
『朱梨の本来の魅力に、俺はやっと気づけたということか。朱梨は最高の彼女だ。これからもずっと側にいてくれ』
数ヶ月後には、こんな会話が交わされるはずだったのに、格好よく変身できなくて、かなり残念。
テーブルの上には、悠馬さんが出してくれたオレンジジュースのグラスが置かれている。
水滴のついたグラスを手に取り、中の氷をカランと鳴らして、緊張で乾いた喉を潤した。