副社長は束縛ダーリン
浴室のボイラーの音は、まだ小さく聞こえている。
グラスを戻して長い息を吐き出すと、私はまた考え始めた。
新作レシピのための食べ歩きに関しては、すべてを白状しなければならないだろうけど、フィットネスクラブ通いは、まだバレていないし、ダイエットのことまで話す必要はないのかも。
ということは、いい女計画についても、打ち明けずに済ませることができるんじゃ……。
そこまで考えたとき、悠馬さんが浴室のドアを開ける音が、小さく聞こえた。
クッションを抱きしめる力を強めて、鼓動を速める私。
すぐにリビングのドアも開けられて、ズボンだけを穿いて、上半身は裸のままの悠馬さんが、バスタオルで髪を拭きながら入ってくる姿を目にした。
均整の取れた筋肉美に、今ばかりは見とれていられない。
そっと彼の表情を窺うと、怒りの程度は幾らか減っているような気がする。
シャワーを浴びてスッキリと、気持ちを切り替えてくれていたら、いいのだけど……。