副社長は束縛ダーリン

しかし、照れている場合ではないと、すぐに気づかされる。

切れ長二重の涼しげな瞳を狭め、悠馬さんは「言いなさい」と私に詰め寄る。


「ここのところ、平日もおかしな行動をしているよね。退社後にやたらと寄り道して帰るようになったのはなぜ?
本当は買い物じゃなく、男と密会しているの?」

「ち、違います! それだけは絶対に!」

「それなら、どこでなにをしているのか、正直に言ってもらおうか。言わないなら……浮気疑惑は晴れないよ?」


口撃しながらにっこりと微笑む悠馬さんに、私の背には冷や汗が流れる。

余裕の作り笑顔を浮かべているということは、私に浮気心がないことを、分かって言っているのだろう。

それでも退社後の、デパートや本屋に寄ってから帰るというメールの嘘は、見破られているようだし、もう隠していられない。

ごまかせばまた、尾行されそうだし……。


悠馬さんの膝にのったまま、フィットネスクラブに通ってダイエットに励んでいることを、ボソボソと打ち明けた。


「ちょっとだけ、体重が増えちゃって……」

< 203 / 377 >

この作品をシェア

pagetop