副社長は束縛ダーリン
他の人にプレッシャーを与えたくないからという理由は書いたはずなのに、悠馬さんは私の心変わりを心配して焦っているのかな……。
私がゆっくりシャワーを浴びていた間の彼の状況を理解して、早く誤解を解かなければと慌てる私。
電話をかけようとしたまさにそのとき、玄関ドアの向こうに鉄の外階段を駆け上がる足音が響いて聞こえ、その直後にチャイムが鳴らされた。
これはきっと……いや、絶対に悠馬さんだ。
私がメールにも通話にも応答しないから、家まで来たのだろう。
彼はデート帰りにきっちり家まで送ってくれる人なので、ここには何度も立ち寄っている。
壁が薄く、隣の部屋の生活音が漏れ聞こえてしまう古いアパートだということを理解して、夜間は静かにという決まりを、いつも頭に置いてくれていた彼。
しかし今はそんな配慮をしている余裕がないようで、連打されるチャイムからは、相当な焦りが伝わってきた。
私も慌てて玄関に駆け寄り、鍵を開けると、彼が飛び込むように入ってくる。