副社長は束縛ダーリン

「今、分かった。朱梨って人の悪意に気づかずに生きている子だよね。いい男を手に入れるには純粋さが必要なんだ!
分かったけど……私には無理かな。ぶつかられたら、コノヤロって思っちゃうもの」


ユッコは鈍感だと非難するのではなく、純粋だと褒めてくれた。

嬉しいけど、それについても同意できない。

私だって嘘をついたり、ごまかそうとしたり、自分の都合のいい方へ物事を動かそうと企んだりする。

悪人ではないけれど、そんなに清い心も持ち合わせてはいないんだよ……。


噴水前から再び歩き出した私たち。

飲食店の並ぶエリアに入り、ショーウインドウの食品サンプルやメニュー表を見て歩く。

パフェもいいし、パンケーキも捨てがたい。それとも夏はやっぱりかき氷か……。

ユッコと相談して決めたのは、洋食レストランのフルーツパフェ。

八種類ものフルーツが贅沢にデコレーションされた季節限定のそのパフェは、今日まで二十パーセントオフだと、ポスターが貼られていたからだ。

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